大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(オ)200 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

第一点について。

しかしながら本件訴が確認を求めている法律関係は給付の訴によつてのみ権利の

実現を計らなければならない場合ではない。そして、元来ある法律関係に基いて給

付の訴を提起し得る場合はその法律関係の確定を求める訴も許さるべきであるから

論旨は採用できない。

第二点について。

被上告人らは本件目的物は戦争の終了によつて直ちに返還さるべき契約であると

主張するに対し、上告人は上告人においてこれを不必要とするに至つたときに返還

すべき特約であつたと主張したところ、原判決は被上告人らの主張を容れ既に戦争

の終了した以上右目的物は被上告人らに返還さるべきであり、その法律関係が現に

本件当事者間に存在するとの趣旨の下に判示再譲渡契約の存在を確認したのである

ことは原判決の全体から十分に諒解ができる。されば原判決は過去における事実関

係を確認したものでもなく、また、この場合原審として右法律関係における所論事

項について説示しなければならないものでもない。従つて、原判決には所論の違法

なく論旨は採用できない。

第三点について。

原判決が所論の点を考慮に入れながら、しかも本件特約の内容は所論のようなも

のではなく戦争終了の場合には譲渡をするという趣旨のものであると認定したもの

であることは原判決が甲第一号証、乙第一、二号証を右認定の資料とし且右書証に

ついて説明を附加している点に徴し十分看取できるから原判決には所論の点につい

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て審理不尽、理由不備の違法ありというをえない。

第四点について。

原判決は所論各書証のみによつて判示事実を認定したのではなく、それらの書証

を含めたその挙示する諸証を綜合して認定したものであり、右諸証に照せば右認定

はこれを是認できないことはない。従つて、原判決には事実認定について所論の違

法ありというを得ない。論旨は、畢竟原審の専権に属する証拠の自由な価値判断に

よる事実の認定を非難するだけのもので上告適法の理由とするに足らない。

以上のとおりであるから論旨は、すべて「最高裁判所における民事上告事件の審

判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号ないし三号のい

ずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」も

のと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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